Home > ドクターアドバイス ママのための新型インフルエンザ(H1N1)対策
新型インフルエンザ(H1N1)の蔓延はママにとって大きな心配の種になっています。
今回は妊婦健診外来でしばしば尋ねられる質問にお答えします。
Q1: 妊婦さんは、一般の人より症状が重くなるのでしょうか?
妊婦さんはやや免疫力が低下していること、また妊娠後半期の子宮の増大により肺が圧迫され、インフルエンザに感染すると、肺炎などを合併しやすいといわれています。特に妊娠28週以降の妊婦さんは重症化の危険が高く、集中治療室(ICU)を必要とする確率が10倍高いとされています。
Q2: 妊婦さんが新型インフルエンザワクチンを受けても大丈夫でしょうか?
ワクチン接種による重症化の予防は非常に大切で、安全で有効です。接種回数は1回となりました。今年は季節性インフルエンザも流行すると考えられますので、季節性ワクチンの接種もお勧めします。ワクチン接種後、効果出現には約2~3週間かかり、その後約5ヶ月効果が持続します。ワクチン接種を受けてから妊娠に気がついても問題はありません。
Q3:妊娠中にインフルエンザ様症状(38℃以上の発熱・鼻汁・鼻閉・咽頭痛・咳)が出た場合、どのようにすればよいでしょうか?
あわてて、かかりつけの産婦人科医に直接受診することは避けてください。他の健康な妊婦さんや褥婦さんへ,感染させない配慮が大切です。先ず、かかりつけ医に電話をして受診時間・受診場所などの指示を受けてください。重症の可能性がある場合には最初から地域の一般病院受診を勧められる場合もあります。
多くの場合はお腹の赤ちゃんも守る必要がありますので、かかりつけの産婦人科医が対応してくれます。病院へは必ずマスク着用で受診してください(これは他の人に感染させないための重要な「咳エチケット」です)。 診療時間外での診察や、裏口からの診察室への誘導、駐車場での車の中でのトリアージ診察など、かかりつけ医の指示に従ってください。
Q4. 抗インフルエンザ薬(タミフル/リレンザ)は妊娠中でも使用可能ですか?
新型インフルエンザであっても簡易検査ではしばしばA型陰性の結果が出ることがあります。家族内や、その地域で新型インフルエンザが流行している状況があれば、簡易検査の結果にかかわらず抗インフルエンザ薬の服用をお勧めします。症状発現後48時間以内の抗インフルエンザ薬(タミフル:75mg錠を1日2回、5日間服用)(リレンザ:10mgを1日2回吸入5日間)の開始が重症化防止に効果があります。
もし、妊婦さんが、新型インフルエンザ患者と濃厚接触した場合は、抗インフルエンザ薬の予防投与をお勧めします。 抗インフルエンザ薬はお腹の中の赤ちゃんに異常を引き起こすことはありません。
Q5: ママが感染した場合、新生児・乳児への注意点は?
赤ちゃんの観察をしっかり行ってください。赤ちゃんが感染した場合の症状は「活気がない、母乳・ミルクの飲みが悪い、呼吸回数が多くて苦しそうだ、発熱がある、咳・鼻水・鼻閉がある、少しの刺激にも過敏に反応する」などです。もし、これら症状を認めた場合には、タミフルの早期投与開始が重症化防止に有効ですので、できるだけ早く小児科医を受診しましょう。
Q6: 感染しているママが授乳することは可能でしょうか?
母乳を介したインフルエンザの感染は報告が無く、母乳は安全です。しかし、ママが直接授乳や児のケアを行なうためにはの以下の三つの条件がそろっていることが必要です。
- タミフルあるいはリレンザを2日間以上服用していること。
- 熱が下がって平熱となっていること。
- 咳や、鼻水が殆どないこと。
また、赤ちゃんと接触する前に手をよく洗い、清潔な服に着替えて、マスクを着用してください。先の条件を満たしていない間は、ママと赤ちゃんは可能であれば別の室とし、搾乳した母乳を健康な人が赤ちゃんに与えることをお勧めします。発症後7日以上経過し、熱もなく症状が無くなった場合、ママは直接母乳を与えることができます。
大切なことは、新型インフルエンザに対して、恐れることも、侮ることもなく、正しい情報のもとに対応することです。そして、日頃の手洗いやうがいの習慣、バランスのとれた栄養、充分な睡眠が基本です。







