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No.007 ワクチンで子宮頸がんが予防できます!?

子宮頸がんは、世界で二番目に多い癌で、年間約50万人が罹患し、約30万人が死亡しています。我が国では年間約8,000人が発症し、約2500人が亡くなっています。

この女性の敵である子宮頸がんのワクチンが開発され、予防できるようになったのをご存知ですか?

原因はヒトパピローマウイルス(HPV)!

子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV:Human papillomavirus)というウイルスの感染により起こります。母親になろうとする女性の50~80%は一生に一度はHPVに感染し、多くは性交渉を経験する10~20代に感染が始まります。HPVは非常にありふれたウイルスで、感染しても自覚症状もなく、大部分は免疫力により自然に子宮頸部から排除されます。

しかし、約5~10%の人が、ウイルスを排除できず、感染が長期化(持続感染)します。持続感染によって異形成と呼ばれる前がん状態となり、さらにその一部の人が早期がん(上皮内癌)から、進行がんへと変化していきますが、その確率は千人に一人程度です。また、感染してから頸がんになるまでには少なくとも10年近くかかります。

HPVには100種類以上のタイプがあり、そのうちの約15種類が子宮頸がんの原因となる高リスク型といわれています。世界の子宮頸癌患者の60~70%が高リスク型の中でも16型と18型であったため、この二種類のウイルスを標的としたワクチンが開発されました。

ワクチンの効果と副作用は?

ワクチン開発後に効果と副作用が検討され、HPV16型と18型の感染はほぼ100%予防できることが判りました。また副作用は接種部位の軽度の発赤程度で、重篤なものはほとんど認められませんでした。

2006年以降、世界の108カ国ですでに使用され、日本では今年中には承認される見通しです。

どのような人に接種するのですか?

HPVワクチンは,子宮頸癌の治療ワクチンでなく、HPVの感染を予防するワクチンです。

そこで、初交前に接種することが最も望ましく、12歳前後での接種が推奨されています。ワクチン接種をしなかった13歳から26 歳の女性にはcatch-up 接種(追いかけ接種)も勧められています。

接種の方法と費用は?

6ヶ月の間に3 回(初回、1 ~2ヵ月後、6 ヶ月後)の投与をおこないます。アメリカでは私費で接種する場合、合計3 回の接種でおよそ360 ドル、日本では3~5 万円程度になると思われます。先進国では「子宮頸がんの撲滅」に向けて、思春期の女子に対しては公費負担で実施されており、日本でも将来は公費で接種できるかもしれません。

子宮頸がん検診は必要ですか?

天然痘に対するワクチンの普及で、地球上から天然痘が消滅したように、今回のHPVワクチンの開発は、「子宮頸がんも撲滅できるのでは?」という夢を抱かせます。

しかし、現時点ではこのHPV ワクチンの守備範囲は完璧ではなく、16型 と18型 の感染予防のみで、残念ですが残りの約30%の他の型には無効です。

それでも子宮頸がんは予防できると断言できます。ワクチンの接種を受け、その後は定期的な検診を受けることで異形成の段階で必ず発見できるからです。

アメリカでは「貴方は子宮がん検診を、貴方の娘さんにはワクチンを!」というキャンペーンがおこなわれています。

最後に、HPVワクチンの接種は、次世代を担う子供たちへの思春期教育の絶好の機会と考えます。ワクチン接種を通じて家庭の中で「性」の問題を「おおらかに話し合う」ことが大切だと思います。

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