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No.006 「卵巣がん」は「沈黙のがん」

「なんだかお腹が出てきた、中年太りのはじまりかな?」「なんとなく下腹部に違和感がある。」「なんとなく何回もおしっこ行きたくなる(頻尿)。」最近このような、「あいまいな不快感」を感じていませんか?こんな症状を2 ~ 3 週間にわたりほぼ毎日感じるようになったら、「卵巣がん」チェックのために婦人科受診をお薦めします。

「卵巣がんは沈黙のがん(Silent Cancer)」といわれ、ほとんど症状がなく、腹部膨満などで病院を受診した時には、既に相当進行しているのが特長です。

なぜ沈黙のがん(Silent Cancer)なのですか?

卵巣は子宮の左右にあり、親指くらいの大きさ(3cm)で、排卵と女性ホルモンを分泌する臓器です。胎児を保護する骨盤という大きな空間に存在し、子宮との固定がゆるく、よく動くため、直径10cm程度になっても「周囲の臓器を圧迫する」などの症状を表すこともないのです。

卵巣がんの頻度は?

アメリカでは、毎年約2万5000人が卵巣がんと診断され、1万4000人が死亡しています。
日本では毎年約6000人が卵巣がんになり3200人が死亡していますが、最近増加傾向にあり、乳がんと同様に欧米並みに近づきつつあります。

卵巣がんはどのような病気ですか?

卵巣がんの多くは卵巣表面の上皮細胞から発生します。排卵により上皮が破れ、そして修復されることを毎回繰り返している間に「がん」が発生すると考えられています。

卵巣がんは、突然に発生し急激に増殖する「漿液性腺がん」と比較的ゆっくりと発症する「非漿液性腺がん(明細胞腺がん、類内膜腺がん)」に分けられます。
急激に増殖するタイプは、腫瘍が卵巣内であまり大きくならないうちに、簡単におなかの中に広がり(腹膜播種)、大量の腹水を伴なった「がん性腹膜炎」になります。

しかし、抗がん剤が効く方が多いのも特色です。

卵巣癌になりやすい人は?

【卵巣癌の家系】
卵巣癌には遺伝的なリスクがあります。母親や姉妹が卵巣がんである場合は、そうでない場合に比べリスクが 3 倍位高いとされています。

【未婚・未妊・未産、初潮が早かった人、閉経が遅かった人】
多産であった戦前の日本人女性の一生の排卵回数に比較しますと、少子化した現在に生きる女性の平均排卵回数は明らかに多く、卵巣がんのリスクが高くなっています。また不妊治療婦人も要注意です。

【動物性脂肪の多量摂取】
最近、イギリス人は狂牛病の問題で菜食主義者が増加しています。それにつれて明らかに卵巣がん患者が減少したといわれています。

その他、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群、肥満、糖尿病、喫煙(夫の喫煙も)、乳がん・大腸がんの既往歴・家族歴を持つ人も注意してください。

卵巣がんの検診・早期発見は可能ですか?

子宮がんのような「早期発見、早期治療」という考え方は、卵巣がんの場合には当てはまりません。「漿液性腺がん」では、3~4か月前の検診では異常を認めず、自覚症状があって受診した時は既に進行がんであった例が報告されています。また、欧米で超音波と腫瘍マーカーCA125での卵巣がん検診を実施し、死亡率を下げる試みが行われましたが、残念ながら有効であるとする結論は得られませんでした。そこで、欧米では1994年に「無症状女性の卵巣がん検診は意味を持たない」とのガイドラインを発表しました。

自分の体は自分で守る!!

それでは、どのようにして卵巣がんから身を守ればいいのでしょうか?

まず、1年に一度の子宮がん検診時に、必ず内診と超音波検診を受けて卵巣の状態をチェックしてもらってください。これにより、比較的ゆっくりと発症する「非漿液性腺がん」は発見可能です。良性と思われる卵巣腫大や卵巣腫瘍が発見された場合でも、3~4か月毎にフォローアップを受け、悪性転化が起こっていないか確かめてもらってください。

1年以内の検診で問題の無い場合でも、もし「骨盤痛、腹部膨満感、不快感、疲労感、頻尿」などの症状が3週間以上続いたら、可能性の一つとして卵巣がんも考慮して、「かかりつけの婦人科医」に相談されることをお薦めします。
多くは、中年太りの初期ですのでご心配せず、お気軽に。

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