Home > ドクターアドバイス 「つわり」を乗り切る「ポジティブ思考」!!
妊娠初期に食べ物の好き嫌いが強くなり、食べられない上に、さらに吐くというつらい状態が「つわり」です。木の芽が出て花のつぼみがふくらむことを“つわぶく”“つわ(兆)る”と言い、「つわる」という言葉は、「成熟する寸前の状態」のことを意味しています。「輝く命の誕生の兆し(きざし)」で、程度の差はあれ、新しくママになる人のほとんどが経験します。特に朝方に気持ちが悪くなることが多いので、英語では「Morning sickness」と言います。
なぜ、つわりは起こるのでしょう?
次のようないろいろな説がありますが、明らかな原因は不明とされています。
- 妊娠すると、胎盤の絨毛組織からhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが大量に産生されます。それが脳の嘔吐中枢を刺激するために吐き気が起きると言われています。
- 「半分がご主人の遺伝子(DNA)で構成されている胎児」を異物と感じる拒絶反応の現れであるとする説もあります。愛するご主人のDNAであるのに、拒絶とは悲しい説ですね。
- 他にも人間関係(嫁・姑)や生活環境、お腹の中の赤ちゃんへの不安 などのストレスが関係しているとも言われています。
つわりは胎児を守ってる?
しかし、もっと「つわり」を肯定的に(つわりは胎児を守っていると)考えてみませんか。
妊娠によって、卵巣と胎盤から大量のプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されます。この黄体ホルモンは胎児を育てるために、赤ちゃんのベットである子宮内膜をフワフワ(分泌期)にし、流産防止のために子宮筋(平滑筋)を柔らかく弛緩させ、収縮しないように働きます。
一方、胃も腸も子宮と同じ平滑筋でできているため、大量の黄体ホルモンの影響を受けて収縮せず弛緩し、胃腸の動き(蠕動運動)が悪くなります。その結果、胃に食物がいつも残り、むかつき(つわり)が起こると考えられます。
なぜ胃の内容物がゆっくりと小腸に移動すること(つわり)が胎児を守ることになるのでしょう? 人は50万年前からこの地球で生活をしています。今でこそ一日に三回食事を取ることができますが、50万年前の人類の最大の敵は食料不足(飢餓)でした。大切な赤ちゃんを守りながら、飢餓の時代を生き抜くためには、胃を貯蔵庫にして、胃の内容物をゆっくり吸収することが必要だったと考えられます。繰り返し消化し吸収する「牛の反芻(ハンスウ)」に似ていますね。
妊娠すると便秘傾向になる理由もこれで理解できそうです。
また、妊娠初期に「やたら眠くなってしまう」「気持ちが落ち込む・疲労感や倦怠感を感じる」のも大量の黄体ホルモンの影響です。眠気や抑制的な気分で妊婦さんの活動を抑えることにより、安静状態をもたらし流産防止に働いていると考えられます。
つわりの対処法は?
つわりの時の食事の基本は、「食べたいときに(一日に数回に分割し)、 食べられるものは(好きなものだけでもよい) 食べる(頻回少量摂取)!」です。

ただし、つわりの症状にも個人差が必ずあります。1日3~4回以上吐いてしまい、食事がほとんどとれない、体重が急激に減った、尿の量が極端に少なくなったなど、つわりから妊娠悪阻となった妊婦さんは、病院にすぐに受診し、医師の指示(点滴など)を受けてください。
ポジティブ思考の大切さ!
つわりのように妊娠に伴って起こってくる母体の変化は、「輝ける新しい命を守ろうとする母性の表現」です。赤ちゃん(胎児)の視点に立ったポジティブ思考で、対処してください。その「おおらかさ」が母と子の大きな絆となっていきます。







